凸凹研究所

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PUBGで登場する武器の簡単な解説、元ネタ2020年版

最終更新:2023年1月23日

 PUBGは実在の武器が用いられているけど、それについてまとめられた記事があんまり無いので作ってみた。日英Wikipediaの解説等を元にしていますが、内容の信頼性については期待しないで下さい。

SG

S12K
 正式名称「ИжМаш Сайга 12(Izhmash Saiga 12、イジマシ サイガ 12)」。1990年代にロシアの公共株式会社「イジェフスク機械製作工場」で開発された。AK-47を基にしている為、同銃由来の信頼性と拡張性が特徴(ゲーム中でARのアタッチメントが使える理由もこれ)。ゲーム内で登場する”K”型は短銃身化と安全装置を搭載した改修型。

 S686
 正式名称「ベレッタ S68」。1987年から1993年頃まで、イタリアの老舗銃器会社の「ファブリカ・ダルミ・ピエトロ・ベレッタ(ベレッタ)」で開発、販売された。耐久性に定評がある。S686はS68系列の中でも製造費用を抑えた廉価版で入門銃の扱いで、本来は競技用。

SMG

UMP9
 正式名称「H&K UMP」。ドイツのH&K(ヘッケラー&コッホ)社で1990年代に開発された。これの9mm弾仕様がUMP9。主に国境警備隊沿岸警備隊で使われている。同時期に開発されたのが同じく同社製のG36Cで特徴も似ている。

MicroUZI

 正式名称「UZI」。イスラエルのIMI社(現 IWI社)が1954年に開発した。工業力に乏しいイスラエルの国情(当時)に合わせて、単純で生産性に優れた設計になっており、その成果から世界中で採用された。それを特殊部隊向けに小型化し、1984年に作られたのがMicroUZIである。

Vector
 正式名称「KRISS Vector」。9mm弾の威力不足を問題視した米軍の要請を受けて同国のクリス USA社が2006年に開発した。伝統的に国内で人気のあるが、反動の大きい.45ACP弾を活用する為に低反動能力の高さを重視した。

TommyGun

 正式名称「Thompson submachine gun」。銃器の専門家だったジョン・T・トンプソン元米陸軍大佐が塹壕突破の為に第一次世界大戦末期から開発し1919年に実用化した。「Submachine gun(サブマシンガン)」と言う名前を世界で初めて用いた事で知られる。自動連射のしやすさと信頼性、頑丈性から警察、軍、暴力団(マフィア)、軍閥等に至るまで、世界中の多くの組織で90年代頃まで長く用いられた。

 日本海軍も性能評価の為に購入しており、第二次世界大戦中は鹵獲して使用された記録が残っている。自衛隊も「11.4mm短機関銃M1」として正式採用し(短機関銃と言う言葉はこれの訳から生まれた)、90年代頃まで使っていたらしい。

AR

M416
 正式名称「H&K HK416」。米軍がH&K社に依頼して2002年に作られた「M4騎銃(カービン)」の改良型。米軍向けに開発されていた新型突撃銃(G36の改良型)の実用化までの繋ぎとして導入されたが、肝心の新型の導入計画が中止され、お金を掛けてまで、まだまだ使えるM4を更新する意義は薄いとを判断された事もあり、米軍では特殊部隊と海兵隊のみにしか導入されなかった。米国以外ではドイツとフランスで導入されており、日本でも研究用に購入されている。

M16A4
 正式名称「AR-15」。AK-47に対抗する為に1957年に米国のアーマーライト社で開発された。その中でも軍用の物がM16と呼ばれる。ベトナム戦争から長きに渡り米軍の主力小銃であり続けており、M16A4は90年代に実用化した最新仕様である。ゴルゴ13が使用しているのはこれの初期型(M16A1、M16A2)。

SCAR-L
 正式名称「FN SCAR」。ベルギーの国営銃器企業のFNハスタール社が米特殊作戦軍向けに2004年に開発した。評判は良く、イラク戦争アフガニスタン紛争で活躍している。SCAR-LのLLightの意味で5.56mmを使用する事からこの名が付いている。7.62mm弾を使用するSCAR-H(Heavy)もある。通称Mk16。

AUG
 正式名称「シュタイアーAUG」。AUGはドイツ語の「Armee Univasal Gewehr(意味は軍用汎用小銃)」の略である。オーストリアのシュタイヤー・マンリヒャーが1978年に開発した突撃銃。強化プラスチックの素材・ブルパップ方式を最初期に本格的に採用した小銃で世界的に有名。SF風の見た目からフィクションでも出番が多い。

QBZ
 正式名称「95式自動歩槍」。中国版AK-47で大量生産された「56式自動歩槍」の置き換えの為、中国の中国北方工業公司(ノリンコ)で開発された。日本と同じで西暦下二桁=正式採用年なので1995年開発である。本国版では5.56mm弾を使用しないので、PUBGに出ているのは、輸出型の(97式自動歩槍(QBZ-97))だと思われる。実際に東南アジアの国であるミャンマービルマ)とカンボジアはこの型を使用しており、サノックの雰囲気的にぴったりである。これの狙撃銃仕様がQBU。

G36C
 正式名称「H&K G36」。G36Cは騎銃(騎兵銃)仕様。特殊部隊で用いられている。名銃と名高い「H&K G3」の後継機で概ね評判が良いが、お膝元のドイツ陸軍的には不満だったらしく、ドイツ国防省に訴訟させられた事も(結果的にはH&Kが裁判には勝った)。競合製品はSCAR-L。

AKM
 ソ連製。世界で最も有名な突撃銃であるAK-47の改良型で1959年に正式化された。派生元のAK-47の設計者であるミハイル・カラシニコフが改修に携わった。現在でもロシア軍が使用している。

M762
 正式名称「Kbs wz. 1996 ベリル」。ポーランドラドム社で開発されたAK-47の派生型。PUBGに登場している「M762 ベリル」はその輸出版に当たり、ナイジェリア軍で使われている。只、本場ポーランドで使われているこの銃の基本型は5.56mm弾を使用しており(冷戦後にポーランドNATOに加入するにあたって、西側諸国で主流の5.56mm弾に変更した。)、7.62mm弾は使用しない。

Mk47

 正式名称「CMMG Mk47 Mutant」。2014年に米国のCMMG社が発表した。M16でAK-47で使われる安価で入手しやすい7.62mm弾を使いたい需要から生まれた、7.62mm弾が使えるM16系の銃の一種。当初は関心が高かったが、そもそもAKの弾と弾倉がそのまま使えればそれで良いのでは(もしくはAK自体をそのまま使う)と流れになり、専用銃を作る流れが低調化した為、あまり注目されなくなってしまった。

GROZA
 正式名称「OTs-14」。ソ連のトゥーラ造兵局(現、KBP社)で開発された。GROZAは元々は開発段階で用いられていた名称でロシア語で「雷雨」を意味する。高い消音性能と高威力で小型を目指して作られ、PUBGでもそれは徹底再現されている。ロシア軍の特殊部隊「スペツナズ」が使用している。

DMR

VSS

 当時、ソ連アフガニスタンチェチェンで紛争を抱えていた事から、対ゲリラ戦、潜入作戦を念頭に、同国の研究所であったTsNIITochMash(意味は精密工学中央研究所、現在はロシアの軍需企業)が1980年代に開発した。究極の消音狙撃銃を目指した結果、専用の9mm弾が開発された(PUBGでは再現されていない)。

 飛距離が短い理由は、そもそもの開発目標が「400m先の防弾チョッキの貫通」だった為。その影響で狙撃銃の割には長さは短くなっており、全自動射撃(フルオート)も可能になっている。

Mini14
 M14(M16の前身)を参考にして作られた民生用の自動小銃。民生用銃器で有名なスターム・ルガー社が1973年に販売した。単純な構造で保守もしやすい事から、趣味としての射撃、害獣退治、自衛用等に人気がある。創業者曰く本当は制式小銃として軍に採用してもらいたかったが、M16が出来たのでおじゃんになったらしい。ただ昔ながらの木製のお陰で威圧感を与えない為、民間に限らず警察組織等でも使われている。

QBU
 前述の通り、QBZの狙撃銃版。

SKS
 正式名称「シモノフ自動装填騎銃」。第二次世界大戦中の1943年にソ連で開発された。ただ同時期に開発されたAK-47の配備の方が優先された結果、儀仗用除きソ連では一線を退き、1956年には製造終了した。しかしAK-47以上に設計が単純な為、初期の中国人民解放軍北ベトナム軍及び南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)、アフガニスタン軍で重宝され、経済的理由から主に発展途上国で活躍した。今でも中国のノリンコ製の物が製造されている。QBZの遠い先祖の一つ。

SLR
 正式名称「L1A1 Self-Loading Rifle」。SLRはその略称である。元はFNハスタール社がAK-47対抗の為に1947年に開発した「FN FAL」で、その英連邦(英国及びその旧植民地だった国家による国際組織の加盟国)向け仕様がこれである。英国とカナダ、オーストラリアが改修に携わった。前述の三ヶ国に加え、ニュージーランド、インド、マレーシア、ジャマイカ等で使用された。英国はNATO標準小銃として、米国もこれを採用してくれる事を期待したが、あっちはM14にした為、NATO統一小銃を作る事は叶わなかった。

Mk14

 正式名称「Mk14 Enhanced Battle Rifle」。第二次世界大戦期の主力だったM1ガーランドの次ぐ主力突撃銃として製造されたが、突撃銃としては不十分な出来だったM14。しかし交戦距離が長くなった湾岸戦争時には、M16よりも遠距離での射撃の威力が高い事から、狙撃銃として活躍する事になった。只、その時ですら既に30年前の銃であった事、劣化しやすい木製の部品もあった事から、改修する事が決まり、素材を金属とプラスチックに変更するに加え、現代技術を取り入れる事によって、2000年代初頭に誕生したのがこの銃である。評判は良いが重いのが難点。

SR

Win 94
 正式名称「M1894」。米ウィンチェスター社が1894年に開発した。銃器設計で現在まで大きな影響を及ぼしているジョン・モーゼス・ブローニング氏(機関銃と自動拳銃の発明家)が開発に携わった。これを含むウィンチェスターライフルは西部開拓時代に重宝され、保安官からカウボーイ、ならず者、ネイティブアメリカンまで使用された。民間では人気は高かったが、威力不足からか軍には不評であった。

Kar98k
 ドイツのマウザー製作オベルンドルフ武器設計(マウザー/モーゼル)社で1934年に開発されたが、前身の銃は1900年初頭には開発されており、既に設計は成熟していた。第二次世界大戦中のドイツの主力小銃で国防軍武装親衛隊、国民突撃隊を始め、欧州の同盟国で用いられた。既に半自動小銃が実用化されていたが、高い信頼性と命中精度、生産性を武器に戦線を支えた。現在は儀仗用に使われる。試製一〇〇式小銃、試製一式小銃、二式小銃開発の参考元にもなっている。

M24
 正式名称「M24 SWS」。米国のレミントン・アームズ社が1988年に開発した狙撃銃。銃単体だと単にM24なのだが、付属品も含めて提供されるので、Sniper Wepon Systemの名称が付いている。西側諸国でよく使われており、日本では対人狙撃銃と言う名称で陸上自衛隊が使用している。一丁61万円。

AWM
 英国のアキュラシー・インターナショナル社で1982年に開発された。AWMは「Arctic Warfare Magnum」の略で、意味は「極寒の闘争」である。名前に恥じず-40℃でも使用可能。PUBGで登場する.300mm Winマグナム弾仕様は現実ではドイツ軍が使用している物。日本でもAW系列の銃(恐らく警察向けのAWP)が特殊急襲部隊で使用されているらしい。

その他

ソードオフ
 拳銃並みに小型な散弾銃の総称。ソードオフ・ショットガンは米国方言で、英国方言系の英国、豪州、ニュージーランドではソーンオフ・ショットガンと呼ばれる。個人で改造して作る事も出来、実際にコロンバイン高校銃乱射事件で使われた事がある。

スコーピオ
 正式名称「Vz 61」。1959年にチェコスロヴァキアのチェスカー・ズブロヨフカ(チェコ兵器廠国営会社)で開発された。戦車兵、軍用トラック操縦士、通信兵向けの自衛用武器として作られた。小型で持ち運びやすい事からソ連KGBスペツナズ、テロリスト、工作員ストリートギャングにも愛用され、西側諸国でも警察が導入した例がある。

M249
 自衛隊を始め世界中の西側諸国で使われている「5.56mm機関銃MINIMI」の米軍仕様。FNハスタール社が1982年に開発した。米陸軍の主力軽機関銃湾岸戦争アフガニスタン紛争、イラク戦争で用いられた。

DP-28

 老朽化した外国製機関銃の置き換えと機関銃装備部隊の拡充の為、ソ連軍人兼銃器設計者だったヴァシーリー・A・デグチャレフ氏によって1928年に開発された。ソ連製らしく生産性と耐久性を重視した設計で、主にスペイン内戦と独ソ戦で活躍した。弾倉の形がレコードプレーヤーに見える事から、そのまま「レコードプレーヤ」或いは「スターリンの蓄音機」と呼ばれたりもした。

クロスボウ

 クロスボウは英語での言い方で、日本語では中国語由来の「弩」と呼ぶ。ボウガンもバリスタも名前が違うだけで基本的には同じ物である。

 東西共に手軽に扱える高威力の武器として重宝された(弓は高い技術と経験、筋力が必要で誰でも扱える物では無かった)。矢だけでは無く、石や火炎瓶等も使う物もあった。しかし攻撃された側の被害も尋常では無い為、欧州ではローマ教皇が使用禁止令を出したり、中国でも製造は国家の独占事業とされていた。日本でも、中国の影響で古代には使われていたが、大陸諸国とは違い、近世まで大規模な集団戦闘が起こらなかった事に加え、武士道精神にそぐわない事から廃れてしまった。

 PUBGではネタ武器扱いされているが、時代遅れの場違いな武器と言う訳ではなく、前述の手軽さと銃器と操作方法が似ている事から、第一次大戦では塹壕突破目的で矢では無く、爆弾発射機として使われ、矢を使う用途でも、VSSの様な高性能な消音銃が登場する迄は実践で用いられていた。

 

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